長堂 武蔵さん
引き出しが多すぎる先生
私の世界史の先生は、知識の泉のような人でした。授業中に1つの用語が出てくると、それに関連する歴史的背景や人物、文学の話などを展開してくれました。例えば、冷戦時代のチェコスロバキアの歴史について論述する問題を扱ったときのことです。先生は、民主化運動が弾圧された歴史を説明するだけでなく、その影響が文化にも及んだことを教えてくれました。具体的には、作家ミラン・クンデラについて説明してもらい、彼の代表作『存在の耐えられない軽さ』が、いかに政治的抑圧を背景に生まれたかを語ってくれました。こうした話を聞くことで、出来事が単なる知識としてではなく、生きた歴史として頭に残るのを実感しました。
もちろん、この話は論述問題には直接関係のない話です。しかし、それらは知識を深く理解し、整理する上で大いに役立ちました。豊富な引き出しを持つことで、記憶が点ではなく線としてつながり、必要なときに思い出しやすくなります。
アクシス長田校が開校し10年目の節目に、慶應義塾大学に合格者を輩出することができました。彼は小学5年生の夏からアクシスに通い、約8年間ともに頑張り、目標としていた大学に合格することができました。おめでとうございます!
少し振り返ります(ご参考になれば幸いです)。8年間も塾に通うと、節目節目で成長が見られます。勉強嫌いになった年もありました。勉強以外の好きなことに突っ走っていた年もありました。遅刻、宿題、なかなかやってこない年もありました。しかし、目標が定まると、そこに向けて頑張る彼がいました。苦手科目の勉強の仕方や参考書の相談に来たり、模試の結果を毎回見ながら、点数が悪いと悔しがったり、逆に点数が良いと嬉しがったり(このときは何も言わずともニヤニヤしながら自ら持ってくるのですぐわかりました笑)。最後には具体的に自己分析ができるようになり、勉強の効率も格段にアップしていきました。我々Axisがしたことは、時には見守り、時には厳しく、時には親身に話を聞き、時には引っ張り上げたりと、目標に向けてアドバイスを投げかけながら、共に伴奏してきました。それが良かったのかなと今となっては思います。
とにかく、私立最難関大学に無事合格できてよかったです。これからの人生も応援しています。まずは自分のために頑張って学び、経験を積んで、ゆくゆくは周りの人や沖縄のために尽力できる人材に育ってくれたらうれしい限りです。